普通の日常の一般的な毎日

29歳の暮らしなど

キッチンが好きだ。

 

都内の1Kのキッチンなんて高が知れている。横幅1メートルの右半分がコンロ、左半分が流しになっていて、その狭さを縫って調味料や洗い物カゴを配置している。コンロを背にすると冷蔵庫と洗濯機がある。洗濯機はフタをしめておいて、切った野菜を置き、炊いたご飯を冷凍前に冷まし、ケトルでお湯を沸かす場所に丁度いい。存在はアンマッチだけど、役割を果たしてキッチンに馴染んでいる。

 

流し下の収納はがらんどうだったので、機能性を持たせる必要があった。棚を入れて、カゴを入れて、そしてようやく鍋やらザルやら食器やらを仕舞った。引っ越してから少しずつ、買い足して配置し直して今のキッチンがある。

 

どこの家の作りもそうだと思うが、キッチンの照明はその狭さからするとちょっと過大な気がする。部屋としてのキッチンに付けられたLED、ピンポイントに流しを照らす蛍光灯、そして換気扇にもライトがひとつ。

 

最近では、食事もそのままキッチンで済ます。コンロと流しの間、20センチもないそこにトレーを置いたら、ひとり暮らしの食卓の完成だ。沢山の小さな照明に照らされて、狭いキッチンにスツールを持ち込んでの夕餉。実家の父が見たら泣くだろうな、それくらい切なくて行儀が悪い。

 

でもやっぱりキッチンが好きなのよ。私に使いやすく配置された物たちが並ぶ、狭い城。これからも作る楽しみと食べる楽しみ、苦手だけど後片付けも、このキッチンと共に。